テキストなどでイタリア語会話の勉強を始めると
わりと最初の方に出てくるフレーズのひとつ、
「Si figuri!」
早い段階で習うということは、よく使用される言い回しなのでしょうか。
ちょっと詳しいテキストでは、この言葉に次の説明がつけられていました。
「(当然のこととして想像してみてください!) → とんでもない!」
前々から気になっていたフレーズだったので、今回改めて辞書でいろいろと引いてみました。
◆ ◆ ◆
動詞の原形は "
figurare" (この単語の名詞は "
figura" = 英語の "フィギュア : figure")
他動詞
(1) (図や像として)表す、加工して造形する、象徴的に表す
La piazza del Campo a Siena figura una conchiglia.
「シエナのカンポ広場は貝殻をかたどっている。」
La scena figura una taverna.
「(舞台の)場面は居酒屋の場だ。」
(2) (代名小詞と共に)思い描く、想像する
Me lo figuravo più grasso.
「もっと太った人かと思っていた。」
自動詞
(1) 存在する、ある
Il suo nome figura tra i premiati.
「彼の名は受賞者の中に入っている。」
(2) 現れる、姿を見せる
Non volle figurare come autore dell'opera.
「彼はその作品の著者だと知られたくなかった。」
(3) 目立つ、印象的である
È un bel quadro, ma in quella parete non figura.
「美しい絵だ、しかしあの壁では引き立たない。」
で、問題のフレーズは、この動詞の成句として辞書に載っていました。
Figurati!/Si figuri!/Figuriamoci!
「(否定の答えとして) まさか、とんでもない」
「(感謝や陳謝への答えとして) どういたしまして」
・・・ ということは、辞書上には記載されていないのですが、
このフレーズは "
figurarsi" という再帰動詞の扱いなんですね。
そして 「想像してくれ!」 という再帰動詞の命令形として、相手に合わせて
・tu → figurati
・Lei → Si figuri
・noi → figuriamoci となるんですね。
そこで例文検索。
"La disturbo?" "Si figuri!"
「おじゃまですか?」 「とんでもない!」
"Scusi per il ritarido." "Ma si figuri."
「遅れて申し訳ありません」 「いや、いいんですよ」
"Non sei stanco?" "Figurati!"
「疲れてないのかい?」 「全然。平気だよ!」
最後に和伊辞典にて 「どういたしまして」 を検索した結果がコチラ。
微妙なニュアンスの違いがあるんですね。
(礼に対して) Prego / Non c'è di che. / Di niente.
(わびに対して) Prego, si immagini. / No, si figuri.