なんだかんだで
prima o poi 「遅かれ早かれ、いずれそのうち」
presto o tardi
oggi o domani
un giorno o l'altro
una volta o l'altra

più o meno 「多かれ少なかれ; およそ、だいたい」
tanto o quanto

piaccia o non piaccia / piaccia o no 「好むと好まざるとに関わらず、否応なしに」
volente o nolente / volere o volare / volere o no 「望もうが望むまいが、否応なしに」
a ragione o a torto 「正しかろうが間違っていようが; 理由はどうあれ」

l'uno o l'altro 「いずれにせよ、どちらにしても」
per un verso o per l'altro 「いずれにせよ、なんとかして」
in un modo o nell'altro 「何らかの方法で、なんとかして」

per amore o per forza 「なんとしても、是が非でも」
bene o male 「善かれ悪しかれ、なんとしても、是が非でも」

per una cosa o per l'altra 「なにかと、なんだかんだで」

Per una cosa o per l'altra sono molto preso.
 「なんだかんだと忙しい。」
I miei genitori mi rimproverano sempre per una cosa o per l'altra.
 「両親にあれやこれやと小言を言われる。」

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| # by dicotomia | 2007-10-29 01:29 | いろんなイタリア語
battute
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サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂 (Roma) にて撮影
(教皇座がヴァティカンに移るまで長い間カトリック教会の中心的存在であった、
 伝統と格式を誇る大聖堂。 ・・・らしいゾ!)


dire la battuta 「台詞を言う」
battute d'effetto 「観客をわかせる台詞」
battuta a soggetto 「アドリブ」
battuta spiritosa 「上手い洒落」
avere la battuta pronta 「当意即妙の答えをする」
Dice battute dure con la faccia tranquilla.
 「彼は澄ました顔できつい冗談を言う。」
Non è capace di capire la sottigliezza di una battuta.
 「彼にはしゃれが通じない。」

◆       ◆       ◆

こちらのスーパーマーケットの精肉コーナーでは
相も変わらず ジンギスカンソング がエンドレスで流れているわけですが、
先日 幼稚園児くらいのオンナの子が
「ジンジンジンジンジンギスカン♪ ジンジンジンギスカーン♪」 と、スキップしながら歌ってました。
め、めんこかったあ~!
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| # by dicotomia | 2007-10-26 01:36 | 旅先のイタリア語
あったりなかったり・・・
■ ~がないために [ per mancanza di
Sono depressi per mancanza di attenzioni.
 「彼らはかまってもらえないので元気がありません。」

Non ha più voglia di lavorare per mancanza di motivazioni.
 「彼はやる気がなくて、もう働きたくありません。」

Non può più stare in Italia per mancanza di denaro.
 「彼はお金がないので、それ以上イタリアにいることができません。」

Il suo progetto è stato rifuunato per mancanza di fantasia.
 「彼の計画は想像力が欠けているので拒否されました。」
き、きびしいのお・・・


■ 私には~があれば十分だ [ mi basta(bastano) + s.
Mi basta l'amore di mio figlio.
 「私には息子の愛があれば十分です。」
 
Mi bastano un paio d'ore.
 「私には2時間もあれば十分です。」
 
Mi basta un caffè durante le pause di lavoro.
 「私には仕事の休憩中にコーヒーがあれば十分です。」
Anch'io la penso così!


■ ~なしに・・・できない [ non riuscire a + inf. + senza~ ]
Non riesco a stare senza parlarti.
 「私は君に話さずにいられません。」
 
Non riesco a capire una conferenza giapponese senza il mio dizionario elettronico.
 「私は私の電子辞書がなくては日本語の講話を理解することができません。」

Non riusciamo a continuare questo programma senza uno sponsor.
 「スポンサーがいなくては、私達はこのプログラムを続けることはできません。」


・・・ま、あってもなくてもがんばろう~!


  
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| # by dicotomia | 2007-10-22 00:29 | いろんなイタリア語
秋の気配 ≪l'aria autunnale≫
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More
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| # by dicotomia | 2007-10-14 01:39 | いろんなイタリア語
Toccare il Tempo
Dal 7 settembre 2007 al 13 gennaio 2008 negli spazi esterni dei Mercati di Traiano 29 sculture/installazioni in marmo, bronzo e granito
per la prima mostra individuale a Roma dell'artista giapponese
2007年9月7日~2008年1月13日、トライアーノ市場の野外空間に
大理石、ブロンズ、グラニトの彫刻約30点を展示。日本の芸術家のローマ初の個展。


Opere su cui salire e sdraiarsi, da toccare, accarezzare e attraversare.
よじ登り、横たわり、触れ、撫で、通り抜ける作品。

Un invito ad instaurare un rapporto di empatia con le sculture attraverso il tatto.
触れることによる彫刻との共鳴への誘い。

Le sculture solleticano sensazioni, iniziative, comportamenti.
彼の彫刻は人々の感情や自発性、行動を刺激する。

Ogni opera e un invito ad immaginare, ad inseguire le diverse possibilita allusive, a provare i diversi punti di vista rispetto alla sua collocazione.
どの作品も人々に、想像をたくましくさせ、そこに暗示されている新たな可能性を探し求め、
さらにその場における異なる視点を見出すように促している。


A guardare le sculture di Kan Yasuda si resta incantati, come ci si trovasse davanti a qualcosa di spontaneo, di naturale, di sempre esistito.
安田侃の彫刻を観ていると、何かのびのびと自然で、常に存在しているものを前にしているような、不思議な感覚を覚える。

Al punto tale che queste opere sembrano non avere una mole, in certi casi appaiono prive di peso, e l'osservatore perde il senso della dimensione: potrebbero essere grandi come montagne o addirittura tascabili.
作品は、時には全く重さがないかに、あるいは解き放たれているように見え、観る者は次元の感覚を失う。山のように大きいかと思えば、手に取るほど小さく見える。

Sono come sassi, che non hanno facce ne una destra ne una sinistra.
普通の石のように右も左もない。

Su ogni lato il sole gioca con raggi di luce e ombra oppure le gocce di pioggia si divertono a rimbalzare e a scivolarci sopra.
あらゆる面に太陽は陽光を注ぎ、影をつくり、あるいは雨の滴がその面で跳ね、滑りゆく。

― citazioni da ローマ市広報


TOCCARE IL TEMPO  『時に触れる』 展
(ああ。ローマに観に行きたい。 ・・・いや、せめて展覧会のカタログが欲しいのお。手に入らないかなあ・・・)
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| # by dicotomia | 2007-09-16 14:39 | いろんなイタリア語
イタリアという美しい奇蹟

NEUTRAL―Travel for life 第11号

歴史・文化を含め、手広く 雑多に マニアックに まるごとイタリアが取り上げられております。イタリアフリークな皆様方には情報誌としては物足りないと思われますが(プラス、読みづらいレイアウトですが)、ありきたりなガイドブックとは趣向が全く異なっており、また、くすんだトーンに温かみあふれるノスタルジック調(LOMO風味?)な写真からは 悠久の時の記憶が混在する、イタリアの日常風景の妙味が存分に伝わってくるのではないでしょうか。 (特に高橋ヨーコさん撮影のサルデーニャの写真がすごい! 梅佳代さんの写真&ひとことコメントもオモシロすぎ)






芸術新潮 2007年 8月号

(※先月号のため、購入するにはバックナンバーお取り寄せになりますが)
5日間でローマ・中世の美を訪ね歩くという企画。読み応えアリアリアリ。4~13世紀に建てられた20の聖堂と、教会内の実に愛くるしいモザイク画、燭台やねじり柱のモザイク装飾が多数紹介されています。 う~ん、惚れ惚れ。。。 切り離しマップ付きで、実際にこの順路でローマを歩いてみたい! そんな想いが強く喚起される一冊。


ちなみに今月号(9月号)はニューヨーク・美術館特集。
こちらも近現代アート好きには垂涎モノ。オススメです。

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| # by dicotomia | 2007-09-07 01:26
Cosa ti rende felice?
Vedete quanto poco ci vuole per rendere felice un uomo:
una tazzina presa tranquillamente qui fuori...

(Tratto da "Questi Fantasmi" di Eduoardo De Filippo)
 ごらんなさい。 何と小さなことが、人を幸せにするのだろうか。
 たった一杯のコーヒーを、外でゆったりといただく・・・


A noialtri napoletani, toglierci questo poco di sfogo fuori al balcone... Io, per esempio, a tutto rinuncierei tranne a questa tazzina di caffè.
(Tratto da "Questi Fantasmi" di Eduoardo De Filippo)
 私らナポリ人は、バルコニーの外での、このささやかな息抜きを奪われるというのなら・・・
 たとえば私はすべてを捨ててもいい。この一杯のコーヒー以外は。


Il caffè, per esser buono, deve essere
nero come la notte, dolce come l'amore e caldo come l'inferno.

(Tratto da "Vita di un rivoluzionario" di Michail Bakunin)
 おいしいコーヒーは 夜のように黒く、恋のように甘く、地獄のように熱い


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Da dieci anni quei due siedono ogni giorno per lunghe ore, tutti soli, nel caffè. È un matrimonio felice? No, è un buon caffè.
(Alfred Polgar)
 10年来、2人は毎日カフェハウスへ行って何時間もじっと座っている。
 素晴らしい結婚だって? とんでもない! 素晴らしいカフェハウスなのだ。


È essenziale l'aroma, ha qualcosa di magico,
racchiude intere energie di chi lo ha trattato.
Il caffè caro signore, è qualcosa di più di una pianta.
È una spugna che per tutta al vita – e quindi dal momento
in cui nasce fino a che viene tostato – assorbe energie e vibrazioni.
Le trattiene, le conserva poi le elabora per restituirle sotto forma d'aroma, gusto, vigore e pensiero.
Sì, mio caro signore, nel caffè è impresso il pensiero.

(Ramon)

Una Tazzina di caffè è... 
la cura di chi l'ha preparata, la passione per la qualità,
un atto d'amore per l'arte del gusto.....


珈琲が好きです。

珈琲そのものの味や、珈琲を飲みながらおしゃべりをしたり、読書したり、
ボーっと窓の外を眺めたりして過ごすマッタリとした時間ももちろん好きなのですが、

自分のために、あるいは誰かのために、
鮮度の良い香り高い豆を常に用意し、お湯を沸かしつつ抽出器具をキッチンに並べ、
豆を計量してミルで挽き、粉をフィルターにセットし、ポットに移したお湯の温度を調整し、
ハンドドリップで そうっと丁寧にお湯を注ぎ入れ、ドーム型にムクムクと膨らんでいく粉や、
サーバーにポタポタと溜まっていく琥珀色の液体を眺める・・・
その一連の作業に流れる 穏やかで贅沢な空気に惹かれます。

どんなときでも、この時間と心の余裕は持ち続けられるように。
Così questa è una cosa che mi rende felice.


―― Una buona giornata comincia con un buon caffè.

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| # by dicotomia | 2007-09-05 00:13 | いろんなイタリア語
プチショックだったこと
容易に想像可能かと思われますが、オンナ度に少々(著しく?)劣るワタクシ。

古代日本人顔 ― パーツパーツの凹凸が少なく、奥行き感のない、のっぺり平坦ぼけらった顔を
しておりますので、もしかしたらこういう顔ほど化粧映えがするものかと思われますが、
まあ、毎日化粧に多くの時間をとられるのも面倒なので 素材そのままの味をご堪能いただきたく
普段は基本的にちゅるちゅるなちゅらるメイクで済ませております。

が、そんな私にも一応欠かせないものがありまして。
最も特徴的と言える、この重たそうな一重まぶた。瞳に覆い被さる下向きまつげバシバシ。
なんとも華やかさに欠け、寂しげな印象を与えるこの目元を解消するべく、必須アイテムとはコレ。


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ビューラーでございます。


・・・な、なのに、
前回のイタリア旅行で コレを持参し忘れてしまいまして ☆

ありゃりゃ。 失敗したなー。どうしよーかなあー・・・ と、プチ落ち込み気味でいると、
ふと立ち寄った Upim (衣料、生活雑貨、化粧品を扱う大型スーパー) に
安価で売られているじゃないですか~。 おお。よかったりらりらーん♪

だがしかし。
翌朝、早速使ってみたのですが・・・・
んー? あれれー? なんだか使い勝手が悪いぞー? うまくカールできないなあ~。
アタマにハテナを飛ばし、しばしビューラーを眺めているうちに、一つの仮説にたどりつきました。

そして帰国後、手持ちのビューラーと比較検討し、その仮説を実証することができました。
  

おおお! Σ(゚Д゚;;≡
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| # by dicotomia | 2007-08-21 02:40 | 雑記
なにが違うかって
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ナポリ、Stadio San Paolo の 猛々しく荒っぽい雰囲気とは全く異なり、
翌日訪れた ローマの Stadio Olimpico (オリンピコ・スタジアム) では
このような光景が数多く見られました。

continua ...

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| # by dicotomia | 2007-08-08 01:54 | 旅先のイタリア語
やっぱりここはナポリだった・・・ <後編>
「ジャポネーゼか?」
観客席に向かって外階段を上っていると、早速 数人の兄ちゃんたちに声をかけられました。
ひととおりの定番会話 (「どこから来たのか?」 「いつ/なぜイタリアに来たのか?」
「イタリア語を話せるのか?」 ecc... ) を軽く交わしたところで、
「日本人ならカメラ持ってないのか~?」 なんて からかわれる。
ま、でも、悪意のない冗談にも受け取れたので、「持ってるよー」 と さらに会話に応じていくと、
それなら撮ろう、撮ろうと、いきなり私を囲んで記念撮影会に。
そういやサレルノの海岸で散歩しながら写真を撮っていたときも、釣りに興じる青年達が
自分たちを撮ってくれと言わんばかりに ものすごくイイ笑顔でポージングしてきたなー。
見知らぬ外国人相手に このノリ、この人懐っこさ。

「今日はどっちのチームを応援しに来たの?」
「もちろんナポリだよ」 と、買いたてホヤホヤのマフラーをひらひらさせる (てへ♪)
そして私のチケットを確認した彼ら。 「この席ならぼくらと同じエリアだから一緒に観戦しない?」
おお。 もともと、観客席についたら近くの人に声をかけて、
なんとか仲間に入れてもらって ナポリの話をいろいろ聞きながら観戦できたらいいなー、
なんて目論んでいた私。コレは願ってもない展開か。
(この人達なら大丈夫だろう~)と判断したうえで、お誘いに応じてみることにしました。

◆       ◆       ◆

案内されたのはバックスタンドほぼ中央、二階席最前列。(※)
彼らは毎試合、このエリアで観戦しているらしく、
ここに集まる30~40人ほどの人達は皆、馴染みの観戦仲間らしい。
私の隣に座ったアントニオくん、一人、また一人とやってくる仲間達を私に紹介し、
また、知り得た私のプロフィールをいちいち律儀に仲間達に伝えてくれる(笑)
そしてアイスも奢ってくれる(笑)
 ※ 一応座席指定で チケットには座席№が印字されているが、そんなものはどうでもいいようだ

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うーん、壮観で爽快な眺めだのお~


b0024177_157845.jpgウォーミングアップのためにピッチに選手達が登場すると、
周囲から 「ほら、カメラ!カメラ!」 と促され、
やれ、あれが Iezzo だぞ、写真撮れ!
Calaiò だ、Cannavaro だ、写真撮れ!とはやしたてられる。
あー、とりあえず、この日のために
ちゃんと予習してきてよかった~

そうこうしているうちに試合開始時刻が近づき、
スタジアムも既に熱気満タン。
想像していた通り、観客の95%以上は男性。
若者~オジサン世代が中心。
Chi è lui ? 有名人らしいけど 何者??
このオジイチャンも写真に撮れと言われた。


◆       ◆       ◆

さてさて。 昇格圏内、セリエB上位につけているナポリ。 どんな試合を見せてくれるのかと
興味津々だったのだが・・・ あれれ? なんとも大味なプレー。平たく言えば雑。
互いに適当パスの応酬で繋がらない。ピッチ中央部分であっちゃこっちゃとボールが行き交い、
時折しびれを切らした (状況を打開しようとした?) 選手が どっかんミドルシュート。
おおお。 かつてのどこぞのJ2チームを見ているような~(なんてね)
実際、Ammoniti (警告を受けた選手) 6名、Espulsi (退場者) 2名という、
なかなかの荒れ試合でもあったわけですが。

しかし、そんな試合内容でもナポリのサポーターは熱い。
まず、すごいなーと感じたのが、応援の統一感の無さ(笑)
最も熱狂的なサポーター達がホーム側ゴール裏に陣取り、そこで扇動される応援が
スタジアム全体に伝播していく・・・ というのが当たり前のスタイルだと思っていたんだけど、
そうでもないのね~。 要するに、スタジアム ほぼ360度、どこをとっても熱烈サポーターが
ぐるりと取り囲んでいたということだろうか。 観客席、エリアごとに銘々異なる応援歌が発生しては
その相容れない声のカタマリが四重、五重にも重なってスタジアムに充満する。
そして、その合い間、合い間に、野太い歓声と怒号があちこちで飛び交う。

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360度じゃない部分。対戦相手、モデナサポーターの応援席。
左右のみならず、前後も含め、天井からすっぽりとネットで覆われ隔離されている。



b0024177_1564793.jpgナポリの先取点。
スタジアムが割れんばかりの歓喜の声が轟く。

あっという間に失点。
悲愴感あふれる大きなタメ息。

その直後に 2回の爆発音。
モデナサポーター席の前に立ち上る白煙。
(汗)


そのまま膠着状態が続く。
互いに見せ場らしい見せ場がないまま、
荒れゲームの様相が強くなってきた後半も後半・・・
この日一番の大歓声がスタジアムを覆いつくしました。


「うおおおーーーー!」 「リゴーーーレーー!!」 「リゴーーーーレーーーー!!!」
「リゴーーーーーレーーー!!!」 「リゴーーーーーレーーーーーーー!!!!!」


ナポリの選手がゴール前で倒されたわけですが・・・
いや、確かに喜ぶべきところだろうけど、なんつうか、点、まだ入ったわけじゃないんですけど ^^;
なのにゴールを決めたかのような 歓喜の嵐。 天を突く絶叫。 興奮の最絶頂。
そして、な、なぜかこのタイミングで湧き上がったのが
「♪Chi non salta Modenese è! è!」 の大・大合唱。もちろんジャンプ付き。
数万人のティフォージが、このときばかりは揃って一斉に歌う。 一斉に飛び跳ねる。
声が反響する。スタジアムが揺れる。 おおおーー。すごい。これはすごい。
とうとうナマで聴けちゃったよ。 ホントに身震いするなあ~。

・・・が、この大盛り上がり後のお約束かのように、
PKで蹴られたボールはゴールマウスを大きく外れる・・・ ありゃりゃ~(笑)

◆       ◆       ◆

同点のまま後半ロスタイムを迎えようとした頃、スタジアム内の空気が変わる。
歓声が徐々に消え、我先にと出口に向かう人々の流れが生まれる。
一緒に観戦していたイタリアーノ くんたちからも 「もうここから出ないと!」 とせかされる。
・・・え? あ、いや、だって・・・、まだ試合終わってないじゃん!?
しかも同点だよ? 大量得点差がついてるわけでもないし。
それに、セリエA昇格のために残された試合もあとわずかという、緊迫した時期じゃないか。
「早く出ないと渋滞に巻き込まれるから!」

え? えーっと・・・ さっきまでの大興奮はどこへ!??

なんとなく流れにつられて、一緒に外に出る。
が、スタジアムの周囲は既に人、バイク、車であふれ、大・大・大渋滞。
排気ガスの臭いと途切れることなく飛び交うクラクションの音。
もちろん信号機はその意味を為さず、銘々が好き勝手に家路を目指している。
車は強引に割り込み、そのわずかな隙間を人が横切り、バイクがジグザグに走り抜ける。
・・・スタジアムはたいして危険を感じなかったけど、なんといってもナポリの恐怖はこれだ!!
いや、みんなよく 事故らないよなあー。

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ま、そんなこんなで カルチョ観戦@ナポリ、無事終了いたしました。
この時点ではまだ比較対象がなかったため、ただただ このオトコ臭さあふれる、
豪健で放逸なスタジアムの熱気と無法地帯の交通事情、大渋滞に圧倒されて帰ってきました。
が、この後 人生3度目のカルチョ観戦で得た印象から、
ナポリの特殊性をまた改めて感じることになるのですが・・・

ともあれ、

 Finalmente Napoli ritrova la serie più bella !
 Complimenti ragazzi !! Forza e Viva Napoli !!!


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最後にスタジアムに戻ってみた。
兵どもが夢の跡。


 continua ...

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| # by dicotomia | 2007-08-04 00:12 | 旅先のイタリア語
a parte questo ...
前回ご紹介したので今回も。 DUEですよ~。
ダリオのウェブショッピング2 (ザンパノさんの紙ぶくろ2@ほぼ日)  ※音が流れます

第一弾のリンクも貼っておこうっと。
ダリオのウェブショッピング (ザンパノさんの紙ぶくろ@ほぼ日)


Metti questo nel tuo sacco, e poi mettiti sotto il dominio di tua moglie !
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| # by dicotomia | 2007-07-26 00:07 | いろんなイタリア語
やっぱりここはナポリだった・・・ <前編> 
ナポリを訪れたもうひとつの理由―― それは、二年越しの野望を叶えるため。
旅程と試合日程を照らし合わせると、今回の旅行中に2回ほどそのチャンスがありました。
そのうち1回はイタリア・カルチョ界屈指の熱狂的ティフォージを抱えるという、このナポリの地で。


ということで 行ってきました、セリエB観戦。
Stadio San Paolo (サン・パオロ・スタジアム) にて開催された
SCC Napoli のホームゲーム。 ちゃんとチケットを購入して、試合開始から終了まで(笑)

◆       ◆       ◆

相変わらずの行き当たりばっ旅。 行けばなんとかなるだろ~。
駅からスタジアムの道順も、当日券の購入方法もあまりよくわかっていなかったため
とりあえず早めに、午前中のうちにスタジアムを目指します。

地下鉄 Linea2、Campi Flegrei (カンピ・フレグレイ)駅下車。
駅前に出てみてようやく気がつきましたが、三年前 ダニ・カラヴァンの作品
『認識の道(Way of Knowledge)』 を見に Città della Scienza/科学の街 (科学博物館)
に行ったときも、この駅で下車してバスに乗り継いだことを思い出しました。

早速 ナポリの応援グッズを身にまとって歩いている集団を見つけ、尾行開始(笑)
ものの一分ほどで正面に姿を現した、約8万人収容可能な巨大スタジアム。 うわ。かっこエエ~。
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まずはスタジアムの周囲をぐるりんと一周、観察してみる。
さすがにまだ時間が早すぎるのか、観客と思われる人の姿はまばら。
それに対して、警備員や警察、警察車両はものすごい数で既にスタンバっておりました。
グッズ屋さんやパニーニ屋さんの屋台も着々と出店準備中。
チケット売場の位置を確認した後、日本との時差を感じてみたり、近くのバールで昼食をとったり
(Birraで のどを潤したり)、商店街をお散歩したり・・・と、有意義に時間をつぶしてみました。


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イタリアでは、
Tシャツやマフラー等、
応援グッズに よく
ルパン三世が採用
されていますよね~。
ぺるけ??


b0024177_3323515.jpgラクガキや破れたポスターがコキタナサを演出し、
退廃感溢れる怪しげな BOTTEGHINO (チケット売場)。
鉄格子を挟んでのやりとり。 窓口は小さく 中は暗く、
売り子さんの顔は全く見えません。

DISTINTI (バックスタンド)、
CURVE (ゴール裏) はわかりますが、
T.POSILLIPOT.NISIDA ってなんぞや~~???
ま、さすがに、ゴール裏に行くほどの勇気はありませんので
ここはおとなしく DISTINTI 25ユーロを購入。

ESIBIRE DOCUMENTO VALIDO D'IDENTITÀ
チケット購入には身分証明書が必要です。
私はパスポートのコピーを提示。
しばしの間があり、手渡されたチケットには・・・
おおっ、確かに 私の氏名が印字されています!

CHIUSURA TASSATIVA BOTTEGHINI
H.15.00

ハイ、だいじょぶですよ。
もう購入しましたよ~。



b0024177_3325654.jpg
一応 微力ながらも気休めになろうかと
水色のTシャツにジーンズ姿でやってきましたが、
さらに1ユーロで売られていた
ショボショボペラペラマフラーなんぞも購入し、
試合開始2時間前となりましたので
いよいよスタジアムの中に入ってみます。

入場の際も身分証明書の提示を求められ、
チケットの氏名と照合されました。


よーし。ナポリのカルチョ熱を体感するぞー。


ちなみにネット検索によると、Posillipo も Nisida もスタジアム近くの地名のようなんですが・・・
その方角を示しているのでしょうか? 座席との関係がイマイチわかりませんでしたー。

 continua ...
[追記]
Posillipo は最高級住宅街として有名な地区だったんですねー。
かつてマラドーナもこの地で暮らしていたそうです。
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| # by dicotomia | 2007-07-25 23:51 | 旅先のイタリア語
現地調査
してきましたよ♪ → ナポリの 「3C」

南イタリアの他の街でも 何軒か BAR をはしごしましたが、
やっぱり湯煎器を使用していたのはナポリだけでしたねー。

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湯煎器に浸かった tazzina、熱すぎてバリスタさんも当然素手では触れないようで、
トングを使用して取り出してました(笑)

どうしてナポリだけこのような慣習ができたのでしょうねぇ?

ま。 とにかく ナポリの caffè はとっても濃厚! 格別美味でしたー♪
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| # by dicotomia | 2007-07-21 02:39 | 旅先のイタリア語
ここはナポリだよ?
イタリアでひとり街歩きをしていると 「どう見てもひと回り以上年下だろう~」 という若者から
「いや、アナタ、70歳は超えていらっしゃいませんか?」 というオジイチャンにまで
ひっきりなしに声をかけられるという、まあ、日本では有り得ない現象が起こります。
今までは そんな呼び止めにはほとんど反応せず無視してきたのですが、
今回の旅のテーマは "Comunque provo a conversare!" ということで
よっぽど怪しい風貌の人でなければ 深入りしない程度に会話に応じてみることにしました。

その結果、思いがけずハートフルなご親切や楽しいひとときを頂戴することもあったのですが、
このナポリでの出会いも なかなかオモシロイものでした。

◆       ◆       ◆

三年振り、二度目のナポリ訪問。 今回この街を訪れた理由は二つ。
まずは一つ目。 Napoli Sotterranea (地下ナポリ見学ツアー) 体験に。

スパッカナポリのサン・パオロ・マッジョーレ教会脇にある Sotterranea 入場口まで
ナポリ中央駅から歩いて行こうと、そのルートを確認すべく地図を広げて見ていたところ、
ハタチぐらいの青年に 「どこに行きたいの?」 と声をかけられました。

そこで目的地を指差し伝えたところ、青年は私の手から地図を奪って しばしの沈黙。
そして地図をぐるぐる回転させながら お悩みの様子・・・ あはは(笑)
「いや、私、道に迷っていたわけではなく、地図が読めないわけでもなくて・・・」
そう言おうとした瞬間
「どうやって行けばいいか、ちょっと人に訊いてみるから待ってて!」 と青年。
近くにいた露天商のオジサン達やら 制服姿で歩いていたTrenitaliaの職員やらに
地図を見せてなにやら尋ねまくり・・・  あ、ありゃりゃ~~~。

が、しかし、同じく地図を読めないのか、面倒くさいのか(たぶんコッチだと思うけど)
皆の反応は鈍く、良回答を得られない青年の顔に徐々に焦りの色が見えてくる・・・

こ、これはさすがに悪いなーと思い
「大丈夫だよ。地図を見ながら一人で歩いて行けるから!」 と伝えてみる。
が、思いがけず返ってきたのは 「えっ!? 歩いて行くの? 結構遠いよ!?」 との驚きの声。
んー? 過去に街歩きした記憶を鑑みると、
これってせいぜい徒歩20分程度の距離だと思うんだけど・・・?

◆       ◆       ◆

「たぶんバスに乗った方がいいと思うよ。 うん。バスの人に訊いてみよう!」
私の意向なぞお構いなしに、今度は駅前のバスターミナルに向かってずんずん歩き出す青年。
そして、停車中のバスの運転手に 目的地近くを通過するバスのナンバーと乗り場を尋ねて
「歩いて行くには遠いですよねぇ?」 と確認。 運転手さんも 「ああ、そうだね」 との返答。
そして青年、 「バスが来るまで一緒に待っててあげるから」 と 早速バス停まで案内してくれて・・・

あれれ。 バスで行くことになっちゃったよ(笑)

ま、いっかー。 ナポリでバスに乗ったことなかったもんなー。
そんなこんなで バスを待つ間、しばし青年と歓談を続けておりました・・・・

が、ここでワタクシ、ふと重大なコトに気がつきます。
会話を途中でやめ、青年に恐る恐る問いかけました。

「あ、あの・・・、そういえば私、バスの切符、持ってないんだけど・・・?」

すると青年、一瞬 大きく驚いて、
その後、大笑いと照れ笑いと苦笑いが入り混じった複雑な笑顔で一言。

いや、だって・・・ ねぇ、ここはナポリだよ?


・・・・あ。 え、えっと・・・ハイ、
そ、そうですか。 さようでございますか。

◆       ◆       ◆

ほどなくバスが来たので、青年にお礼を言って乗り込みました。
おかげで徒歩20分と思われた距離も バスでは5分程度で到着。
そして 無事 Napoli Sotterranea を堪能~!
ツアー詳細は kaiokoせんせいのブログに 素晴らしいレポートがありますので
ぜひそちらをご覧ください!(笑) ↓↓↓

 ナポリ:Roll up for the Mystery Tour
 ナポリ:Napolisotteranea・前編
 ナポリ:Napolisotteranea・後編

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今回 得られた仮説。
ナポリ人。地図を読むのが苦手。または面倒。
ナポリ人。徒歩20分は徒歩圏内ではない。
ナポリ人。バスに乗るのにチケットはいらない。 (※よい子は真似しません)

さて、真偽のほどは・・・?(笑)
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| # by dicotomia | 2007-07-20 00:51 | 旅先のイタリア語
プチ・オフ会 a Varese
Varese を訪れたもうひとつの理由――
それは、イタリアでの波乱万丈・抱腹絶倒な ほんの日常 を、とっても個性的でチャーミングな
文章で披露してくださる zefiroさん とのプチ・オフ会開催のためです!

以前 ちょっとした話から、実はzefiroさんとは幼少の頃にご近所さんだったことがわかり、
二人して記憶の糸を辿ってみると 共通の知り合いが何人も存在していたことが判明!
この広いネット世界で なんたる偶然でしょうか!!  これも 「何かの縁」 というものか~~。

◆       ◆       ◆

チェントロの Bar で待ち合わせをしてのご対面。
小心者な私がいつものごとく 緊張でオドオドと挙動不審であったのに対して、
zefiroさんは それこそ文章のイメージ通り、とっても話し上手!
さばさばとした軽妙な語り口で、気さくなお人柄にあふれておりました。
おかげさまで ほどなく私の緊張も解け、zefiroさんのオモシロトークに
も~ ひたすら オナカ抱えて笑いっぱなしの数時間!(笑)
初対面にしては なかなかに私的な共通の関心事(悩み事?)なんぞにも触れながら、
結構盛り上がってしまったのではないかと思います(笑)

また、特筆すべきは、お忙しい中 時間を作ってお会いしてくださっただけでもありがたいのに、
な、なんと、ご新居に招待までしていただきまして♪♪♪
そう、ご心労を重ねられていた隣人問題から脱するべく (?) お引越しを決意されたものの
新居探しも二転三転。 ビバ!イタリア!の不動産~お引越し事情を
zefiroさんのブログで拝読しておりましたので、私の感慨もひとしお!(笑)

ハイ。そのご新居がもう、素晴らしいのなんのって!
とっても広々~としたお部屋。ほんわか温かみが感じられる木造の天井は非常に高く、
おウチの中で剣道の素振りが可能というのも頷ける(笑)
さらに LDK には大きな天窓があって陽光が降り注ぎ、
窓やテラスからの眺めは緑にあふれ、なんともまったり居心地のよい空間。
しかしその立地は Varese 駅すぐそばという大変優れた利便性。
そして、何より感心しながらしばし眺めてしまったのが、相方様のものだという和物コレクション!
浮世絵、てぬぐい、和風雑貨の数々があちらこちらに所狭しと飾られていて
相方様の日本への愛情がひしひしと伝わってきました。

その相方様。残念ながらお仕事中ということで 今回お会いすることはできませんでしたが、
なんでもその日の朝、相方様と駅前ですれ違っていたそうで・・・(笑)
いや、この日 Varese 駅前をうろついている日本人女性観光客は私しかいないでしょう!
お声をかけてくださればーーー! と思いましたが、
Panza 邸行きのバス乗り場がわからず、それこそ挙動不審にウロウロしていた
その醜態までは見られていなかったようでヨシとするか・・・

◆       ◆       ◆

というわけで、午前中は Panza 邸、午後はオフ会と
こんな感じで あっという間に過ぎてしまった一日でしたが、
移動中にちょこちょこと目にした Varese の街並みも とってもステキでした。
いつの日か再訪して、ゆっくりと街歩きしてみたいなあ~。
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| # by dicotomia | 2007-07-15 01:59
la luce ed il colore
Villa Panza にて もうひとつの出逢いがありました ―― Dan Flavin ダン・フレイヴィン。
国立新美術館の 『大回顧展モネ』 や 『20世紀美術探検-アーティストたちの三つの冒険物語』 で
彼の作品が展示されていたそうなので ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
私は、名前や作風は記憶にありましたが、実際に作品を見るのは初めてでした。

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まっすぐ伸びる薄暗い通路。その両サイドにある部屋の入口から様々な色が溢れ出ています。
その怪しげな光に誘われ、恐る恐る足を踏み入れます。


Dan Flavin nasce nel 1933 a New York. Studia arte alla New School for Social Research e alla Columbia University, nonché alla Hans Hoffmann School of Fine Arts. Nel'61 Flavin inizia ad impiegare la luce elettrica nelle sue realizzazioni: in questo modo egli aggira il limite imposto da cornici, piedistalli ed altri mezzi convenzionali relativi alla pittura. Utilizzando esclusivamente la luce ed il colore – e il loro valore psicologico ed emotivo – messi in relazione con l'architettura dove vengono collocati, Flavin crea nuove percezioni sensoriali, consapevole della capacità della luce di trasformare lo spazio.

Ogni opera, anziché essere bidimensionale, comprende le tre dimensioni dello spazio espositivo, condizionando e venendo condizionata dallo stesso spazio in cui è inserita: l'ambiente sembra più ampio, scompaiono gli angoli, la luce cambia colore. Flavin ha reso il legame linea-forma-luce-colore assolutamente inscindibile, rompendo ancora una volta i confini tra pittura, scultura, architettura.


正直なところ、すぐにはピンときませんでした。
タレルが扱う光とは対極に位置するであろう、ネオンチューブが構成する人工的な光。
街に氾濫する看板、広告塔に多用されては、軽薄で品位に欠ける印象をもたらし
景観を破壊する諸悪の根源ではなかったか・・・ (ちょっと言い過ぎ?)

しかし、ひとつひとつ部屋を巡り、
また、部屋の中を歩き回り 自分の立ち位置を変えながら作品を体感しているうちに、
自分の中に nuove percezioni sensoriali が生まれていく様が自覚できました。

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光のグラデーション。 壁や床に映り込む間接光。 色彩の融合。

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今 自分がどこに立っているのか、足元がふわりとした感覚に襲われ、天地の認識が狂う。
しかし 不安どころか、自分を包み込むこの人工光が なぜか優しく温かいものに感じてくる。

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彼の作品は、ミニマル・アート(Minimal Art) ― 最小限の芸術 ― に分類されています。
装飾的・説明的な窓から幻想を見ようとする芸術観を否定し、不要なものを排除し、
色や形を極度に簡素化して、それでもなお芸術と呼べる最小の単位のようなものから
感覚器官に直接的に全的に働きかけを行なう、1960年代のアメリカで広まった芸術運動です。

◆       ◆       ◆

10コほどあった彼の展示室を二往復、ゆっくりと回ってみました。

宇宙空間から帰還した後、宗教に帰依したという宇宙飛行士の話がなぜか思い浮かびました。


タレル、フレイヴィン他、パンツァ・コレクションを堪能した二時間弱。
この現代アートの展示フロアには、他の客は誰一人として訪れませんでした。
これで採算がとれているのでしょうか・・・?
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| # by dicotomia | 2007-07-13 00:24 | 旅先のイタリア語
タレルの空を見に
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ミラノから約一時間、列車に揺られて到着したのは Varese。
この日 この街に訪れた理由は二つ。

まずは一つ目。タレルの空を見に。

当ブログをご覧になってくださり、時折 感想メールを寄せてくださる
Tさんより (いつもありがとうございます) Varese にある Villa Panza に
私の好きなジェームス・タレルの部屋があると教えていただいたのは2年近く前。
今回ようやく そこを訪問するという夢が叶いました。

◆       ◆       ◆

Villa e Collezione Panza
 ― Una collezione d'arte contemporanea famosa nel mondo

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La Villa
Villa Panza fu costruita nella metà del XVIII secolo e ampliata in epoca neoclassica dall'architetto Luigi Canonica. Appartenuta a nobili famiglie lombarde (Menafoglio, Litta Arese Borromeo), trova la sua massima espressione grazie all'intervento dell'ultimo proprietario, il conte Giuseppe Panza di Biumo.
Grande collezionista d'arte contemporanea, a partire dagli anni '50 del Novecento, Panza iniziò a raccogliere nella Villa opere di straordinario interesse, esponendole con cura nei locali settecenteschi in felice accordo con i ricchi arredi e le preziose raccolte d'arte africana e precolombiana.
Incantevole cornice della Villa è il vasto parco che la circonda: più di 33.000 metri quadrati di verde che dominano la città e la corona alpina. L'originaria impostazione geometrica "all'italiana" del giardino è stata addolcita nell'Ottocento secondo il modello "all'inglese", creando così quell'atmosfera romantica tan to cara ai paesaggisti del XIX secolo.

La Collezione
Giuseppe Panza, inizialmente interessato all'espressionismo astratto americano, cominciò ad acquistare opere d'arte sconosciute al grande pubbilico sin dal 1956.
Considerato uno dei più importanti collezionisti d'arte nel mondo, fu tra i primi a proporre innovativi criteri espositivi per l'arte contemporanea: le opere progettate dagli artisti appositamente per la Villa sono ospitate nelle Scuderie, nelle stanze dell'ala padronale e nell'ala dei Rustici. Per quest'ultima, in particolare, i protagonisti dell'arte ambientale di Los Angeles - Irwin, Nordman, Turrell - che lavorano soprattutto sulla luce, lo spazio e la percezione, hanno appositamente progettato nuove installazioni. Nei locali attigui si trova l'importante raccolta di opere di Dan Flavin, realizzate esclusivamente con tubi di luce fluorescente. Ormai divenuta prezioso scrigno di un'arte oggi riconosciuta come una delle più alte testimonianze culturdali del XX secolo, Villa Panza ospita più di 150 opere d'arte contemporanea.
― Villa e Collezione Panza カタログより ―


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James Turrell  ― SKY SPACE ―


白コンクリートの壁と床と天井に囲まれた小さな小さな部屋。
その天井には正方形に切り取られた空。

・・・徐々に距離感が狂ってくる。
天井と同一平面上に青いキャンバスが張られているかのように。
手を伸ばせばあの雲を掴むことができるのではないかという錯覚が起こるほど、
空が近くに、目の前におりてくる。

その一方で、明度と彩度の低いこの閉鎖空間の、限られた開口部から
真っ青な空と現れては流れ消え行く雲を凝視していると
不可視領域に無限に拡がっているであろう外宇宙を強く意識させられる。

この天窓に吸い込まれて外に出たならば。
きっと、無自覚にも抑圧されていた何かが解放されるに違いない。 そんな気にさせられる。

◆       ◆       ◆

モネが異なる時間帯、異なる気候、異なる季節の瞬間、瞬間を捉え、
異なる光に溶ける 『ルーアン大聖堂』 や 『積み藁』 の連作を数多く制作したように、
ここでも移ろいゆく空の表情を、切り取られたキャンバスが刻々と捉える。

特に日の出・日没にかけて
それはそれは美しい光の画が 幾多も現れることだろう。


でも悲しきかな、所詮ただの観光客。 次の目的地に移動しなければなりませぬ。
わずかな時間でしたが、この空を目に焼き付けて。


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     ― SKY WINDOW ―                 ― VIRGA ―




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日本でもこちらなどでタレルの作品を鑑賞することができます。

光の館 (新潟県十日町市)
金沢21世紀美術館 (金沢市)
地中美術館 (香川県直島町)
ベネッセアートサイト直島 (香川県直島町)

いつか行ってみたいなあ。
生涯の宿題だなー。


 continua ...

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| # by dicotomia | 2007-07-01 23:55 | 旅先のイタリア語
イタリアで出会う、古代ギリシアの街 (おまけ編)
Museo Archeologico Nazionale 国立考古学博物館

遺跡群の入口から道路を挟んで反対側にあります。
パエストゥムや近くを流れるセーラ川流域から出土した
マグナ・グラエキア時代の彫刻や陶器、神殿を飾っていたメトープ部分の浮き彫り、
古代ルカーニアの墓を飾っていた石板・フレスコ画などが展示保存されています。

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最も有名なのは、1968年にパエストゥムのネクロポリス(墓地)で発見された
『Tomba del Tuffatore (海に飛び込む男の墓) 』。(写真左下)
石棺を組み上げていた石板の蓋、内側に描かれていたフレスコ画で、
紀元前480年頃のものと推定されています。
素晴らしい保存状態で発見された この 「海に飛び込む男」 という不可解なテーマの石板は
古代ギリシアの絵画的資料がすっかり失われた現在において
大変貴重な存在となっているそうです。


◆       ◆       ◆


さて。 ここでもチケット売場の陽気なオジサンに話しかけられました。
しばらくの間、定番会話 (「日本人か?」 「どこから来たのか?」 「いつイタリアに来たのか?」
「イタリア語を話せるのか?」 ecc... ) を交わしていたのですが、
オジサンはふと何かを思いついたような表情をし、「コッチに来て」 と私に手招きをしました。

そして、壁に貼られていた一枚の白い紙を剥がし、
「ここに同じ意味の言葉を日本語で書いて欲しい」 と言って私に手渡してきました。

その紙に書かれていたのは・・・
----------------------
"Toilet Chiuso"
"Toilet Closed"
"(恐らくドイツ語)"
----------------------

・・・ハイ、確かにコチラ、トイレ出入口横の壁に貼ってありましたね。
ん? もしかして、トイレが壊れているのかー!? わははー、さすがイタリア!!(笑)

続けて、太い黒ペンをオジサンから渡される。

うーーーん。 と・・・ 日本語ね。 そうね。 何て書こう~?
えーーーと。 "使用不可"・・・ "禁止" まで強めてもいいかな~。

指示通り一番下に追加して、 "トイレ使用禁止" と書き入れてみました。
それを見ていたオジサン、 「Bello!」 を連発して大喜び(笑)
そうか~。 やっぱりコッチの人にとって、日本語の文字ってホントに魅力的に見えるんだー。
・・・・ トイレ なのになー。


その後、博物館を存分に堪能し、帰ろうと出入口に戻ると
オジサンは私にウィンクをして(笑)、また手招き。

なんだなんだ? と思いながら近寄ってみると
「さっきと同じようにもう一度書いて欲しい」 と言って
またもや "Toilet Chiuso ・・・" と書かれた紙を差し出してきました。

んー?? さっき書いたものは・・・? と、ふと横に追いやられている紙に視線を落とすと、

なんと!! 私が書いた日本語の下に
大小いくつもの "トイレ使用禁止" が びっしりと書き込まれています!!(笑)
小刻みに震える線で、いびつな文字で、
ところによっては、二度書きどころか三度書き、四度書きと線を重ねて (笑)(笑)(笑)

私は笑いをこらえながら、一応尋ねてみました。
「これ、誰が書いたのですか?」

一瞬 恥ずかしそうな表情をしたオジサン。
しかしすぐに得意満面、 「もちろん、私だよ!」 と ニヤリ。

◆       ◆       ◆

きゅきゅきゅ・・・
新しい紙にもう一度、さっき以上にでかでかと書き入れました。
それをまた満足そうに見つめるオジサン。
今度は大丈夫かいな?(笑)


もし近いうちに、この博物館に訪れる予定のある方がいらっしゃいましたら、
博物館出入口左の壁、トイレの案内板の下に この紙が貼られてないか、
是非ちょっと見てみてくださいね。
黒太ペンの日本語の下に、
さらに文字が書き込まれていないかどうかも・・・(笑)

ちなみによくよく尋ねてみると、現在トイレが故障中というわけではなく
「清掃中や 故障した場合に 貼るからね~」 とのことでした!


  
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| # by dicotomia | 2007-06-13 01:39 | 旅先のイタリア語
イタリアで出会う、古代ギリシアの街
南イタリア・カンパーニャ州。サレルノから列車で30分ほどの無人駅。
駅正面出入口からまっすぐ伸びる唐傘松の並木道、
何もない、のどかな田舎道を10分ほど歩くと到着します。


PAESTUM ― la più bella città della Magna Grecia
Greci, forti forse di precedenti frequentazioni e cognizioni sulla pianura, dopo essersi assicurati un avamposto fortificato in vicinanza del mare, vi fondarono intorno al 600 a.C. una città che chiamarono Poseidonia in onore del dio del mare...

約5kmにも及ぶ城壁で囲まれた、イタリア南部の古代ギリシア植民都市、
マグナ・グラエキア時代の遺跡群。1998年ユネスコ世界遺産登録。

特に、このパエストゥムの名声を世界的に高めている古代神殿の遺跡は
アテネ、シチリアと共に古代ギリシア建築の三大神殿と評されるほどのもので、
また、その保存状態の良さは本家本元のギリシアを凌ぐとさえ言われています。


Basilica/バジリカ (正式名称 : Heraion I/第一ヘラ神殿) ≫
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b0024177_428049.jpg紀元前6世紀中頃に建設された神殿で、
エンタシス(円柱中央部の膨らみ)が特徴的な
太く短い柱を持つ素朴で力強いドリス式建築。
また、神殿全体を取り巻くように列柱廊がある
ペリプテロス式(周柱式)神殿ですが、
通常ファサードの妻側と側面の平側の柱の
本数の比率は "1 : 2+1" になるところが、
この神殿は正面が9本、側面が18本という
異例の数で造られているとのこと。



Tempio di Nettuno/ポセイドン神殿 (正式名称 : Heraion II/第二ヘラ神殿) ≫
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紀元前5世紀中頃に建設。ドリス式。円柱は正面が6本、側面が14本。
神殿内部は同じくドリス式の列柱が三廊に空間を仕切っており、
各柱の上にはもう一本ずつ柱が重ねられていて、高い天井と屋根を支えていたことがわかります。
3つの神殿のうち最も保存状態がよい貴重な遺跡。圧倒的な重厚感が迫ってきます。



Tempio di Cerere/ケレス神殿 (正式名称 : Athenaion/アテナ神殿) ≫
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紀元前6世紀末頃の建設。円柱は正面が6本、側面が13本で、標準的なドリス式神殿。
ただ、内部ではプロナオス(前房)を支える8本の円柱には渦巻き型の柱頭の装飾が見られ、
既に部分的にイオニア式建築が導入されていたことは注目に値します。


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Quartieri di Abitazioni (居住区)Foro (公共広場)Macellum (市場)
Comitium (民会会議場)Curia (集会場)Anfiteatro (円形闘技場) ・・・・

ギリシア植民都市に続き、ローマ支配下の時代には、
商店や市場を備えたフォロが造られ、街はさらに拡張されていきました。

・・・・・

初夏を思わせる太陽の陽射しが じりじりと照り付けてきます。
世界的な価値を持つ遺跡群とはいえ、場所柄のせいか観光客もまばら。
だだっぴろい草原を漂う静寂の中、ゆっくりと風化していく石の塊たち。
ゆるやかではありますが確実な時の流れが肌に伝わってきました。

2500年前に建設された神殿。 街の跡。 繁栄と衰退。

ここで生活していた人たちは、日々何を思って暮らしていたのかな?


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誰もいない Comitium に入り込む。
ふと横を見ると、半目を開け、アタマをやや上方に向けたトカゲがぴくりとも動かず佇んでいる。
その背中の色彩美に見惚れながら しばし様子を伺った後、ついカメラを向け接写してみた。
・・・なおも動かず。 おお、撮影OKですか。 それなら遠慮なく。 ぱちりぱちり。

その直後、人の気配がしたので振り返ってみると
「何を見てるの?」 といった表情をした 上品そうな白髪のおばさまが、こちらを覗き込んでいた。
欧米人観光客かな・・・
え、えーっと・・・ あ、あれ?? 「トカゲ」 って英語でなんて言うんだっけ!??

あたふたと曖昧な笑顔で、とにかく指で示してみる。

「Oh, ××!」
近寄ってきて、納得顔で応えるおばさま。

う。 聴き取れず・・・。

でも おばさま、嬉しそう(笑)
しばらくふたりで顔を寄せ合いながら、なおも微動だにしないトカゲを眺めてみた。

・・・・・

その後、ゆっくりと視線を遺跡に移し、またしばし眺める。
深い深い静寂に包まれる。

おもむろに おばさまが私を見て言った。
「What amazing place!」

あ。 今度は辛うじて聴き取れましたヨ。

私は深く頷いた。

そしてふたりで微笑んだ。



 
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| # by dicotomia | 2007-06-11 00:26 | 旅先のイタリア語
ローマに来たならスペイン広場?
展覧会会場で放映されていたVTRを見てから、また、ユリさんにお話を伺ってから、
次回 ローマに訪れることがあったら必ず行ってみようと心に決めていたのがココ。

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Casa Museo Giorgio de Chirico ジョルジョ・デ・キリコ美術館

デ・キリコの没後20年にあたる1998年11月20日に公開された、彼が晩年暮らしていた家です。
Dicono che Roma sia il centro del mondo e che piazza di Spagna sia il centro di Roma, io e mia moglie, quindi si abiterebbe nel centro del centro del mondo, quello che sarebbe il colmo in fatto di centrabilità ed il colmo in fatto di antieccentricità.
Giorgio de Chirico
Memorie della mia vita


◆       ◆       ◆


b0024177_10504798.jpg要予約 (Orario e Modalità di Prenotazione)
ということで、まずは電話をかけてみた。
すると明日、明後日は既に予約満杯とのこと。
ええーっとお・・・・ ガイドブック等にも特に載っていないは、
扉横に小さな表札しか掛かってないは(場所は確認済み)、
極々ひっそりと運営してるのかと思いきや・・・?
それとも日本以外では結構有名なのかな~??
なんてアタマにハテナマークを散らしつつ、
仕方がないのでローマを発つ 明々後日の朝イチのガイド、
10時に予約。

b0024177_23494084.jpg当日の朝、9時にはスペイン広場前に到着。
さすがにこの時間はひとけもまばら。
早速目敏くミサンガ売りのオヤジが 「コンニチハ~」 と
言いながら握手を求めてくる。 ノーグラ~ツェ。
本を読んで時間をつぶしつつ、扉の前をちらちらと
チェックするも、いっこうに誰も来ないよおー。
10時2分前。 思い切ってインターフォンを鳴らす。
「10時に予約した者ですが―」 そう告げると
「4階まで上がってきてください」 と扉の鍵が開く音がする。

おおーっ。 中に入ると、上のチケットにも印刷されている
『ヘクトルとアンドロマケ』 の
巨大ブロンズ像がお迎えだー!
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正面奥にある階段を上っていくと、Museo(Casa)の
扉があり、気の良さそうな男性(今度は人間)がお出迎え。
入場料は5ユーロなり。
お釣りを取りに男性が奥の事務室に引っ込んだ途端、
自分の口元が思わず緩むのがわかる。
うわわーー、うれしいーーー♪
エントランス左右の壁にびっしり展示されている
彼の作品を間近に目にし、早速一気にトランス状態へ!
アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン・エンドルフィン大放出ー♪♪

その直後、他のお客・イタリア人のおばさま2名がやってきて、
結局この3人でガイドツアーは始まりました・・・。 って、あれれ? たった3人なのねん。

◆       ◆       ◆

ガイドはもちろんイタリア語。 メモ帳片手に聴き取れた単語を殴り書きしていく。
・・・いや、ほとんど聴き取れませんってば(汗)
仕方がないので第六感で聴く。

一つ目の部屋。 1940-50年代、"いわゆるキリコ" の作風を捨て、
ルネサンス、バロック、ロマン主義的な古典絵画技法に没頭していた時代の作品。
再婚相手・イザベラの肖像画。肖像画。肖像画。そして自画像。自画像。
また、(ややその拙さを否定することはできないと思われるが)
特にルーベンスの模倣と見られる、官能的で躍動感あふれるバロック技法作品が印象的。

キリコがいつも座ってくつろいでいたというソファ。 目の前にはテレビ。
タバコをふかしながらテレビを見る至福の時間。

正面の窓からはスペイン広場、『バルカッチャの噴水』 が見下ろせる。 Spazione Riservato。
向かいのアパートの窓辺やテラスにあるプランター。緑が映える。
部屋の角にはワインやリキュール、グラスのお酒セット。

二つ目の部屋。Sala da Planzo。銀食器に囲まれる。
正面の壁には眠るイザベラの絵。 Silenzione。
セザンヌの影響を受けたと思われる、食卓上の果物。静物画の数々。
しかし大きく異なるのは、彼、お得意の奥行き感のある背景とその中に浮かぶ石膏像。

三つ目の部屋。Galleria。
15枚近くの油彩画とブロンズ(+鍍金)像。
お馴染みのモチーフ。イタリア広場。工場。兵舎。城。塔。噴水。ポルティコ。鉄道駅。汽車。
月と太陽。マネキン。仮面。三角定規。幾何学形体。木の床。砂浜。プール。白鳥。
お馴染みのテイスト。停止した時間。静寂。沈黙。誇張された遠近感。不自然に長く伸びた影。
狂う距離感。非日常。神秘的。白日夢。郷愁。憂愁。憂鬱。忍び寄る不安感。悲哀感。孤独感。

入口まで戻って、階段を上って二階へ。
左に四つ目の部屋。Camera da letto(小)。ベッド。机。本棚。
右に五つ目の部屋。Camera da letto(大)。大きなベッドに豪華なドレッサー。
窓からは見えるのはスペイン階段上、二つの鐘楼が印象的なトリニタ・デイ・モンティ教会。
写真を撮ってもいいと言うので早速ぱちり。

廊下にはデッサン、習作が並ぶ。

そして最後、六つ目の部屋。 ・・・・興奮の最絶頂、アトリエ。
意識的に揃えたのか、明度の高い床に、白い壁、白い天井、白い本棚、白いソファ、白いカーテン。
そして大きな天窓からは陽光が降り注いでいる。
この部屋で、晩年のあの傑作たちが描かれたのか―――

二つのイーゼルにはキャンバスが二つ。
描きかけの絵。イザベラの絵とミケランジェロの模写か。
テーブルには絵の具。溶き皿。天秤。電気スタンド。クレヨン。ペン。
使い込まれたパレット。何十本もの汚れた絵筆。溶き油。油壺。
そして椅子の上にはグレーの上着。

壁際にはぐるりと本棚。 ・・・おおっと、その中に日本語タイトルを発見!
なぜか 『日本の凧』 (俵有作編著、薗部澄撮影、菊華社)が。
本棚の上にはギリシャ彫刻石膏像と作品模型がびっしり。
ブリキのおもちゃの馬車。マンマの写真。
Michel Guy から贈られた Accademico di Francia の剣。太陽の細工。

最後に、立て掛けてあるキャンバスの裏側を見せてくれる。
イーゼルに吊るされていたのは
ベル、タンバリン、馬の蹄鉄、唐辛子・・・と、 魔除けグッズの数々(笑)

以上、所要時間50分。 入口に戻って芳名帳に記帳しておしまい。

◆       ◆       ◆

確立し既に評価を得ていた独自の作風を捨て、いや、捨てるだけではなく否定までして
普遍的価値を求め古典絵画に傾倒したものの、晩年に初期の作風に回帰していった、
その経緯の真意については勉強不足のため知り得ていないのですが、
この Casa Museo を訪問して感じたことは、

戦争体験だったり、周囲の不理解だったり、
偏屈なアーティストをさらに無口に、孤独に追いやる過去があったとしても
少なくとも このローマでの彼の晩年の暮らしはそれなりに満たされたものだったのではないかな。
このような一等地に豪華な調度品を揃えた家を構える経済的な豊かさは
彼が得た多大な評価の表れであり、それは精神的安定へと繋がっていたと思われ、
また、数々の肖像画からは 傍らにいたイザベラへの愛情と信頼が感じられます。
窓やテラスの眺めからはローマの潤沢な街並みと人々の活気を享受していたに違いありません。

何より、白を基調とした光あふれるアトリエは穏やかな空気に包まれていました。

作品タイトルだったり、彼の作品を語る際によく使用される表現を
「お馴染みのテイスト」 として前述しましたが、
私がそこから受ける印象としては負の要素はそれほど強くありません。
たとえば彼の画風の特徴のひとつである、ハッキリと描かれた対象物の輪郭線。
何度も重ね描きされ、太さもバラバラな描線からはプリミティブな温かみを感じます。
絶妙なトーンでまとめられてはいますが、緑の空、赤い建物、黄色い地面など
色相差に富んだ配色はオモチャ箱の中を覗いたようなキブンに。
有機的に融合された幾何学形体、擬人化された物体、マネキンのフォルムやポーズ、
どれも非常にコミカルでチャーミング。
消失点へと長く伸びる建物や尾を引く影が切り出す不思議な遠近感には
積極的に視線を誘われ その先にある何かに期待感を抱かせられ、
通常パッセッジャータ中の人であふれるイタリア広場に全くひとけがないなんて、
いったい何が起こったのか? ・・・そんな謎解き想像力がかきたてられます。

そして、特に晩年の彼の作品からは
それらの表現に迷いの無い、より冴えた色彩と筆遣いが見て取れます。

穏やかな暮らしの中で、きっと彼は
次は何を描こうか、どんなモチーフを組み合わせようか、
わくわくしながら、楽しみながら、作品を創り出していたのだろう。。。

・・・・なーんて、甚だ勝手な解釈をしながら。
この旅、最大の興奮を得たのがこの美術館というのは
やはり自分のエセ・イタリア好きっぷりが如実に表れているような気がします・・・(笑)

◆       ◆       ◆

というわけで、今年もなんとかイタリアを旅してきました。
今後ぼちぼちと、相変わらず時系列を無視した旅レポをアップしていこうかなと思っています~。
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| # by dicotomia | 2007-05-26 00:51 | 旅先のイタリア語
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