イタリア人気質を語るにあたって、恐らくはずせないキーワードのひとつであろう
≪
campanilismo : 郷土愛≫
今回の旅の間でも
「今まで訪れた中で どの街がいちばん気に入ったか?」 との質問を受けた際、または
「イタリアのどの街がオススメですか?」 と尋ねた際などに、
その後、お決まりのように話の行き着く先は・・・
街の豊かさ、景観の美しさ、暮らしやすさ、歴史・文化的価値、海や山、自然との距離感、
食材や郷土料理の質と豊富さ等、様々な指標から、
皆々様、「いかにわが街が素晴らしいか」 を熱く語ってくださいました。
一方、出身地を尋ねられるたび 何と答えたらよいのやら? と 戸惑ってしまう私。
ブログというものは無条件に全世界に晒されているわけで、
それならせっかくだからマイノリティ・リポート(?)でも織り込んでおくかー、と
積極的に地元ネタをエントリに絡めるようにしているのですが、
正直なところ、現在暮らしているこの地が 「故郷」 だという感覚にも
「地元Love」 という想いにもイマイチ乏しかったりするため、
彼らの熱い語りには 「あ~、いいな~」 と強い羨望を感じてしまいます。
特に今回は小さな田舎町を巡ったからでしょうか、
みなさん、緑が多く、空気がきれいで、景色が美しく、穏やかでゆとりある
わが街の暮らしやすさを強調されていました。
そして反対に、騒々しさ、街の汚さ、人の多さ、車の多さ、治安の悪さなどの点から
大都市を名指しで否定的に挙げる方々に出会ったのですが・・・
が、しかし。
おもしろいことに、そんなみなさんが口をそろえて言うには
「ローマは素晴らしい!」
・・・なんかね、これまた
「いいな~」 と思ってしまいましたよ。
◆ ◆ ◆
旅から帰った翌日出勤すると、職場の先生が嬉しそうに話しかけてきました。
「昨日ね、みんなでピクニックに行ったんだよー♪」
・・・ん? ピクニック???
周りの人達に訊いてみると、あまりにも天気がよかったので
お昼休みにみんなで大通公園に行って、芝生に座ってお弁当を食べたとのこと(笑)
時は4月半ば。ぽかぽか陽気に、透き通る青空。生え揃った若葉色の芝生。
この街のシンボルのひとつである大通公園は
ようやく訪れた春を愛しむ人々できっとあふれていたのでしょう。
笑顔でお弁当をほおばる先生たちの姿を思い浮かべながら、
なんかね、これまた
「いいな~」 と思ってしまいましたよ。
「なるほど。これかな。」 とも。
◆ ◆ ◆
ちなみに現在の大通公園は
短い夏を楽しむヨッパライのみなさんであふれております。
― Viva la birreria all'aperto! Viva l'allegria!